住宅ローンの借換をする場合、どのようなデメリットが存在しているのか紹介と説明をしていきます。借換の際にかかってしまう諸費用や必要書類の詳細も踏まえ、事前に知っておくと便利な内容となっています。借換の事前準備にぜひ活用してください。
借換のデメリットは?

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借換をおこなう際にどのようなデメリットが存在しているのでしょうか。事前にデメリットの内容を知っていれば借換を検討する際の材料になります。
諸費用がかかる

住宅ローンの借換をする場合、手続きによる諸費用が発生するデメリットがあります。金額についてはそれぞれの銀行の金利や、借入金額と期間によって異なります。概算にはなりますが30万円から80万円の範囲に収まることが多いです。
手続きが必要

住宅ローンの借換をおこなう場合は、様々な手続きが必要となります。そのため平日に銀行へ足を運ぶ手間も発生してしまいます。銀行窓口は15:00迄が多いのでそれまでにおこなわなければなりません。
銀行の混む時間
銀行は日によって混む曜日や時間帯があります。月末月初や年金支給日、五十日(ごとおび)は特に混みあう可能性が高いです。
12時から13時がとくに混み合う時間帯になっています。なぜならお昼休憩で交代するため窓口人数が一時的に減るためです。
次に14時から15時は締め作業に入るため慌ただしくなる時間帯になります。そのためおすすめの時間帯は朝イチ9時に行きすぐに手続きを開始することです。
審査が必要

住宅ローンの借換をする場合、新規でおこなう時と同じく審査が必要となります。そのため審査に必要な提出書類の準備や、住宅引き渡し時に住宅メーカーから受け取った書類確認が必要です。
このような書類は毎日見るものではありません。どこにしまったか忘れている場合もあり、探す手間などにも時間を要してしまいます。
審査が通らない場合も

住宅ローンの借換をする場合、一番最初に組んだときより審査は厳しめになりやすいのが現状です。転職などにより以前と職場が変わっていたりなど生活状況の変化も審査対象です。現在の健康状態も確認されます。
多くの民間金融機関では団体信用生命保険への加入が必要です。そのため健康状態が悪いと審査が通過しない場合があります。
メリットがある目安の金額はいくら?

住宅ローンの借換をおこなう際にメリットを受けられる目安があります。この目安に当てはまる方は検討の余地があります。
条件①金利差が1%以上ある
条件②住宅ローン残高が1,000万円以上ある
条件③返済期間が10年残っている
諸費用一覧

住宅ローンの借換には諸費用がかかります。どのような項目があるのか、内容も含めて説明をしていきます。
ローン保証料(フラット35は不要です)

金融機関が保証会社を利用するときに、保証会社へ支払う費用のことです。保証会社側は金融機関から保証料を受け取る代わりに、住宅ローン利用者が返済できなくなった際、利用者の代わり金融機関へ返済する義務を負います。
相場
・都市銀行・地方銀行・信託銀行⇒金利の0.2%(仮に1,000万円借りたら20万円となります)
ローン保証料は一括払いが可能です。現行で住宅ローンを借入している銀行へ一括払いをしている場合、ローン保証料は戻ってこない可能性があります。
最初の5年以内であれば返還の可能性はありますが、10年経っていたならばゼロに等しいと考えてください。一括払い保証料の返還は金融機関ごとに異なります。一度確認をしてみることをオススメします。
・ネット銀行・web専用商品(都市銀行・地方銀行・信託銀行)⇒無料の可能性
保証料は無料がオススメです。借換は金利差が大きい場合にメリットが生まれます。そのため、保証料を無料にするとメリットがより大きくなります。
事務手数料

事務手数料は審査や事務作業に伴う費用になります。
相場
・都市銀行・地方銀行・信託銀行⇒約3万円(金融機関によって金額や料率に幅があります)
・ネット銀行・web専用商品(都市銀行・地方銀行・信託銀行)⇒借入金の約2.0%
保証料だけでみればネット銀行がお得ですし、事務手数料だけで見れば都市銀行・地方銀行・信託銀行がお得です。
しかし合算して計算しなければ、本当にお得な住宅ローンは見えてこないのです。そのため一部の諸費用だけをみて借換を決めることはしないほうがいいでしょう。
印紙代

住宅ローンを契約するさいの金銭消費貸借契約書に対し必要な税金になります。
借入金額別による印紙代
・100万円以上500万円以下⇒2,000円
・500万円以上1,000万円以下⇒10,000円
・1,000万円以上5,000万円以下⇒20,000円
全額繰上げ返済手数料

現行の借入金のある金融機関へ、全額繰上げ返済をするさいの手数料になります。金融機関によって金額が異なるため確認をする必要があります。
窓口や電話によっても金額が異なる場合があります。ネット銀行ではおおむね無料となっています。固定金利や変動金利でも変化するのでしっかりと確認していきましょう。
抵当権設定費用

現行で借り入れをしている金融機関から、借換をする金融機関へ抵当権を移す際にかかる費用のことです。
住宅ローンを借りる場合、建物の融資をする金融機関に抵当権を設定しなければならないためです。その際に登録免許税と司法書士への報酬が発生します。
相場
・登録免許税⇒借入金の約0.4%(仮に2,000万円の借入で8万円になります)
・司法書士報酬⇒5万円から8万円(依頼する司法書士によって金額に幅が出てきます)
銀行の担当者が司法書士を紹介しましょうかと提案される場合があります。その時は、見積書を見せてくださいとお願いしてください。他の司法書士事務所と比較して検討するのがオススメです。
抵当権抹消費用

現行で借り入れをしている金融機関から、借換をする金融機関へ抵当権を移す際に、抵当権を一度外す必要があります。その際に発生する費用となります。抵当権設定費用と同じく登録免許税と司法書士への報酬が発生します。
相場
・登録免許税⇒土地と建物1個につき1,000円
・司法書士報酬⇒約20,000円(依頼する司法書士によって金額に幅が出てきます)
団体信用生命保険料

団体信用生命保険とは、住宅ローン契約者が万が一死亡してしまったり、高度障害となってしまった場合に残りのローンを支払ってくれる生命保険となります。
ほとんどの金融機関で加入が必須となっており、保険料は金利に含まれており金機関が負担をします。フラット35では任意となっている場合が多いです。
固定金利は得?

固定金利は2年、3年、5年、7年、10年、15年、20年、25年などの期間があります。固定期間が長くなるにつれて金利が高くなります。変動金利のようなリスクをとれない場合に選択する場合が多く、返済金額が一定なため支出計算がしやすいのが特徴です。
しかしながら固定金利満期を迎えたときに金利動向によっては、返済額に影響を及ぼす可能性もあります。全期間固定型のフラット35は資産形成に有効で、長期的な返済計画に向いています。
しかし他の固定金利期間や変動金利に比べ高い傾向にあるので、世の中の動向をみて決定しなければなりません。固定金利、変動金利どちらにたいしても影響を最小限に抑えることができるのが繰上げ返済です。もし余裕があれば繰上げ返済用の通帳をべつにして資金積み立てをオススメします。
リフォーム費用も含めれる?

リフォームを予定している場合、住宅ローンの借換と一緒にリフォーム費用も加算して一括借換することが可能です。一般的にリフォームの費用を借りる場合は変動金利になり住宅ローン金利より高くなる傾向です。
そればらばタイミングを合わせ一括借換をすることによって通常より低い金利でまとめて借換をすることも可能です。一本化することによって家計管理がしやすくなり拠出が見える化されます。
必要書類は?

借換をする場合必要な書類があります。どのような書類が必要か列挙していきます。
本人確認のための書類
住民票、印鑑証明書
運転免許証、パスポートなど、本人確認書類のコピー
健康保険証のコピー(両面)
借換のための書類
住宅ローン返済予定表(現在、住宅ローンを借り入れている金融機関から発行してもらう)
返済用口座通帳のコピー(住宅ローンが引き落とされている通帳)
※直近6ヶ月分の返済履歴が確認できるページのコピーが必要です
収入を証明する書類
給与所得者の場合:前年度分の源泉徴収票、前年度分の住民税課税証明書、または、課税証明書
個人事業主の場合:確定申告書※直近3年分または2年分、納税証明書その1・その2
住宅に関する書類
登記事項証明書(土地)※発行後3ヶ月以内のもの
登記事項証明書(建物)※発行後3ヶ月以内のもの
売買契約書※住宅メーカーか不動産会社に用意してもらう、控えでも可
重要事項説明書※住宅メーカーか不動産会社に用意してもらう、控えでも可
工事請負契約書※住宅メーカーか不動産会社に用意してもらう、控えでも可
健康診断書
団体信用生命保険の加入に必要になります。総合病院や診療所で受けるか、会社などでおこなった健康診断の結果があれば提出可能です。医療機関によっては健康診断の曜日や時間が決まっているところもあります。事前に確認しておくと良いでしょう。
借換審査時には、上記のように数多くの書類を求められます。事前に用意するにしても、ある程度の時間を要することでしょう。闇雲に集めるのではなく、きちんとリストアップしてから必要書類をチェックリスト化していくことをオススメします。
もし借換先の金融機関が決まっている場合、ホームページから必要書類を確認することができます。書類一覧とレ点チェックできるシートも一緒になっていることもありますで活用していきましょう。
感想

多くの時間がかかることが想像できました。平日仕事をしているときはどうしようとか、一回ではできないので計画的に行う必要があることがわかります。
一般的な金融機関とネット銀行、web限定など様々な視点から比較検討をおこない必要があります。一部分の費用だけをみて決めてしまうと、総合的に計算した場合損をするケースも出てしまいます。金利についても世の動向もふまえつつ見ていかないといけません。
まとめ

住宅ローンの借換には様々な諸費用がかかります。提出書類も多く揃えるのに多くの時間を要します。借換を検討をする場合は、金利動向にも注力しなければなりません。
一般的な金融機関とネット銀行と項目別で比較し、総合的な金額を算出することが重要です。リフォームを検討の方は住宅ローンの残債がある場合、借換による一括化によって金利を抑えることができるかもしれません。一度シュミレーションをおこなってみてはいかがでしょうか。