お子さんが反抗期になってしまうと、母親としてはとても辛い気持ちになりますよね。そして、将来のことが心配になると思います。特にお子さんが男子中学生の場合、男女の認識の違いもあるのでより一層むずかしいと思います。
そこで、今回は子供の反抗期にどう対処すべきかをアドラー心理学をはじめ、様々な心理学の知識をベースに
まとめました。
この記事をお読みいただければ、反抗期の対処法や、子供の特徴的な行動、心理状態がお分かりいただけると思います。
Contents
母親はどう対処すればいい?
では実際に、お子さんが「反抗期になった」と感じたら、どうすればいいのでしょうか?
1-1 課題の分離
アドラー心理学の理論の一つに「課題の分離」があります。
これは、課題が現れた時に「これは誰の課題なのか?」と考え、他者の課題の場合は過度に介入すべきではない。とする考え方です。
わかりやすく、例えてみましょう。
今まで塾に通っていたお子さんが欠席するようになり、家での勉強も全くしなくなった。
そして、友達と遊びに行って、連絡もなく帰りが遅くなる日が多くなった。
親としては、心配ですよね。
では、勉強をしないと後で責任を取ることになるのは誰でしょうか?
お子さん自身です。まさにお子さんの「課題」なのです。
お子さんは、「勉強をする」という課題に対して、「勉強をせずに友達との交友を優先する」という道を選んでいる状態ですので、あなたはそこに介入することはできません。
「勉強しなさい!」と叱りつけても、その場だけしぶしぶするかもしれませんが、それではますます「勉強嫌い」になってしまいます。
だからといって、無関心になるわけではありません。
あなたができることは2つだけです。
・「自分で決めていいんだよ。」というスタンスで、自分で選択することを支援する。
・お子さんが決めたことを信じる。
1-2 YES、BUT法
「勉強しない」という道を選んでいる。と理解したとしても、「でも勉強はしたほうがいいのになぁ……」と思うこともあると思います。
そのようなときは、「YES、BUT法」を使いましょう! この伝え方をすれば、お子さんの自尊心を傷つけずに、自分の意見を伝えることができます。
具体的な方法は……

→ 内心、あまり感心できていない。


→ 決して否定せず、まずは全力で「いいね!」と認めてあげましょう!


→理由を聞いて、少し間をおく。


歌詞を考えたりするときにも役立つかもしれないし。
また考えてみてね。
→ 最後に自分の意見を伝えるが、決して押し付けない。
「承認」→「理由を聞くなど、少し間を置く」→「反論を提案する」
の順に伝えれば、相手は心を開き意見を聞き入れやすくなります。
是非試してみてください。
1-3 母親と父親で役割を分担する

何に対しても反抗してくるお子さんに、一人で対応するすることが難しい場合、
あらかじめお父さんと話し合っておき、役割を分担する方法も効果的です。
例えば「YES、BUT法」を分担して、お父さんがYESを言う役、お母さんがBUTを言う役という具合です。
反抗期に入ったお子さんに対応するには、どうしてもストレスがかかってしまいます。
無理に一人で抱え込んでしまわないように、お父さんの協力も得ましょう。
お子さんにとっても、あなたにとっても精神的にとても大変な時期だからこそ、あなた自身のメンタルを守る方法も用意しておく必要があります。
1-4 教育に心理学の知識を

反抗期とは、自分の価値観や個性を作り上げていく途中の状態であるといえます。
興味のあることを次々と試し、時には失敗したりもしながら形にしていきます。
子供は「認められている」と思うことで、自分に自信を持つことができます。
そのためには、母親、父親が「認めている」という態度を示すことも重要です。
心理学の世界には、たくさんの相手の共感を誘うためのテクニックが示されています。
例えば、心理カウンセラーがよく使う技術として、傾聴スキルやミラーリング、バックトラッキングなどがあります。
ミラーリングは、相手と同じしぐさをすること。相手が左頬を触れば、自分も触る。相手と同じタイミングで飲み物を飲む。といった具合です。
バックトラキングは、相手のことばを繰り返すこと。
こういった技術も役立つかもしれません。
中学生男子の反抗期の特徴は?

例えば中学生男子が反抗期になると、どのような行動をするのでしょうか?
特徴をまとめました。
- 返事をしない
- 話をしない
- 勉強をしない
- いつもイライラしている
- 乱暴な言葉を使う
- 物を壊す
- 暴力をふるう
- 不登校になる
- 家出をする
など、たくさん挙げられます。
これらの問題行動には、必ず理由があります。
- 自分の価値観が定まっていない。
- 自立したいけど、すぐにはできず親に依存せざるをえない。
- 性的欲求に戸惑う。
などが象徴的です。
表面的な問題行動ばかりに目を向けるのではなく、表に見えにくいこれらの理由を理解し、
それを受け入れ、信じて見守ることが重要です。
対応に疲れた時は?

もう一度「課題の分離」を思い出してください。
お子さんはこれから先、「自分で選んだことを自分で責任を取る」自分の人生を歩いていかなければなりません。反抗期は、そのための準備期間なのです。
結局、あなたがしてあげることができるのは、お子さんを信じて見守ることだけです。
「対応に疲れた」と感じるということは、まだまだ子供に依存してしまっているのかもしれません。
是非、寛大な気持ちで見守ってあげてください。
それに加えて、母親のメンタルバランスを保つためにストレス対策の方法を学ぶことをお勧めします。
子供の心の葛藤は?

人間なら誰しも、やりたいと思うことをやりたいですよね。
でも、無条件ですべてを叶えることはできないので、妥協したり、誰かと交渉したりして、できるだけやれるように対応します。
例えば、高価なバックが欲しいけれどお金がないとき、まさか盗んでくる訳にはいかないので、仕事を増やして収入を増やすか、我慢して安くて似たバックを探すか、または誰かにおねだりをして買ってもらうか。
この「やりたいと思うこと」が具体的にわかっていれば、対応策は思いつきます。
しかし、「やりたいと思うこと」が抽象的でハッキリとわからなければ、どうでしょうか?
対策できず、欲求だけが湧き出てくるので、モヤモヤしてしまいますよね。
思春期の子供たちの心の中もこのような状態です。
ただ漠然と「自立したい」という感情が芽生えるけれど、自立して何がしたいのか定まらない。なので、どうすればいいかわからない。実際は親に依存している。
いわば、この時期に「自分探し」をしているのです。
この期間に、大人の価値観を押し付けるようなことは決してしてはいけません。
お子さんを信じて、彼の人生を任せてあげましょう。
まとめと感想

- 課題の分離
- 子供の課題に介入してはいけない。
- 頭ごなしに否定しない。
- 子供の選択を信じて、見守る。
- 反抗期に自我を確立させている。
実は、アドラー心理学では「反抗期」という概念を認めていません。
ただし、「子供を自分の思い通りにコントロールしようとする強圧的な大人がいる環境」に対して子供は反抗をするとしています。
「反抗期」ではなくて自立期なんですね。
ですので、自立できるようにしっかり支援してあげましょう。
最後に、記事中に出てきた魔法の言葉をもう一度。

参考文献
ダイヤモンド社 岸見一郎 古賀史健 嫌われる勇気~自己啓発の源流「アドラー」の教え~
ダイヤモンド社 岸見一郎 古賀史健 幸せになる勇気~自己啓発の源流「アドラー」の教えⅡ~
セブン&アイ出版 メンタリストDaiGo 人生が変わるメンタルハック大全